レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「ふふっ、そんな顔しなくても大丈夫ですよ。あなたにそんな度胸あると思ってません!やるのは私で、志保さんは私のアリバイ証明と見張り役をやってくれればいいのです!」
目をギラギラとする彼女が、じりじりと距離を縮めて私の手をギュッと握ってきた。
「その、奈都さんは、何をするつもりなんですか?」
「だーかーら、おじさんを。成央のお父さんを殺《や》るんですよ!さっき言ったじゃないですか!理解が悪いですねぇ、学校の先生なのに頭弱いんじゃないですか?」
この人、何を言っているのだろうか──。
おぞましいオーラが漂って、目を反らしたいのに、体全身が固まったように動けない。
「お、おばさまは……?」
「んー、おばさんは悪い人じゃないし、ちょっと可哀想だけど。保険金かなり入りますから大丈夫です!おじさんって1億かけてるんですよ、知ってます?残りの人生楽しく過ごせるから心配いらないですよー!」
この異様な発言が受け入れられなくて。
どういう神経で笑いながら人を殺《や》るとか発言出来るのだろうか。
「……な、奈都さんは、成央さんのお父さまを殺すつもりなんですか?」