レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
啄むように何度も触れて、おでこ、頬、瞼、鼻先まで顔全体に口付けていく。
志保ちゃんは目をぎゅっと瞑って、眉間にシワを寄せるけど、本気で嫌がっているようには見えないんだよね。
下唇を吸い上げて、ペロリと全体を舐めて。ここまでと言い聞かせて、自身を落ち着かせるよう大きな深呼吸をした。
「さ、寝よっかー」
ニコッと顔を合わせれば、志保ちゃんは小さく頷く。
その唇にリップクリームを塗ってから、一緒にベッドに寝転がった。
「志保ちゃん、おやすみー」
「……おやすみなさい」
真っ暗になると志保ちゃんは怖がるから、電気の明かりはつけっぱなし。
頭を撫で下ろしながら背中を優しくポンポンと叩けば、トロンと目蓋が落ちていく。
志保ちゃんの眠りはいつも浅くて、寝不足だからすぐに寝ちゃうんだよな。すぐ起きるけど。
隣に誰かいると落ち着くのかなー。
化粧っ気のない長い睫毛、半開きな口元、手入れのされていない肌に赤ちゃんみたいな鼻の下のうぶ毛。
「ふはっ、可愛いなー」
俺にだけ安心して見せてくれる、このすこやかな寝顔が可愛すぎてニヤニヤが止まらない。