レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「志保ちゃんの涙、しょっぱくて甘ーい」
やっぱりそうだ。太央が私の頬に舌を這わせて、子供みたい無邪気な笑顔を見せる。
そのまま涙袋まで舐められて、瞼にちゅっと音をたててキスをされた。
もう顔全体が、自分の涙と太央の唾液でベチョベチョになっているのに、嫌な感覚じゃない。心が内側からじんわりと熱くなっていくから、もっと泣きたくなった。
「ねぇ、志保ちゃん。今日、一緒に寝ていーい?」
前に貸したスウェットを持参したのか、それを着て太央はベッドに寝転がって、甘えるように喉を鳴らす。
戸惑う気持ちはあるも、その横にコロンと横になった。
「はい、お布団かぶってー。あ、子守唄でも歌う?俺、音楽"2"だけどー」
太央がなんだか楽しそうに、毛布を頭まで被せてきて。私の背中をポンポンと優しく撫でるから、この子の柔らかい表情が見えなくても想像できる。
「…………あ、あなたが、授業…サボるからでしょう」
「えー、何ー?やっと謝る以外のこと喋ったー」
今まで緊張していた全身の力が緩んで、心が酷く落ち着いていくから、大きく息を吸うことが出来た。