レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「ん、……んんっ」
「…志保ちゃんはっ、そのままでいーんだよ?」
「……っ、」
「…冷たい目で俺のこと見てもっ、絶対見捨てないでくれて……」
ねっとりと口腔内を念入りにかき混ぜられて、キスの合間に白い息が吐き出される。
「……っ、俺のこと、怒ってくれるとこも」
太央の冷たい両手が、私の頬をつねって潰して、今度は軽いキスを鼻先にチュッと落とされた。
「あはっ、ちょっと意地悪言えば、ヒステリックみたいな声あげるとこも面白いしー」
「そんな理由で私の事を貶していたの?」
「なんだろ、全部……本当に全部、可愛くて愛おしくて……包み込んじゃいたい、です」
優しく笑う太央が唇を尖らせて頬を赤らめるから。なんだか、私まで熱が伝わって頬が熱くなってきた。
胸がムズムズしてくすぐったいのは、この子のせいだ。
「なんか、恥ずかしいねー。俺、赤いよねー?」
「わ、私も……恥ずかしい事言うわ」
「えー、志保ちゃんがー?」
「昨日、あなたとの性行為とても気持ちが良かったわ」
「………………は?」
太央が唖然と目を丸くさせ、間の抜けたような声を出した。