レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
一番奥の寝室の部屋から聞こえてくる、トロけるように優しくて甘くて低い声色。
「……っナツ、我慢しないで。もっと声だして?」
「や、やぁ。、恥ずかしからッ」
「ここが好きなんだよね」
は、誰……?ナツなんて女の人の名前みたい。
知らない大人の男女の営みであろう会話に、思わず子宮の奥がきゅっとしまる。
でも、確かに聞いた事のある声に耳を疑った。
「好きだよ、愛してる。この先も一生」
「……わ、私も好き。ずっと一緒にいようね」
ギッギッ。ベッドが激しく大きく軋む音。
静かな空間に響き渡る肌を吸い上げる水音。ピチャピチャと生々しい音が耳に入ってきた。
自身の心臓の音がリアルに聞こえる。
嘘でしょ。さっき私とした場所で、違う女の人を抱いているなんて。
まるで、凍りついたように足が動かない。
前へ進んで事実を確かめる事も、この場を去ることも出来なくて。
「ぁ、やぁ、激し……やめっ」
「……やめないよ」
「ちょっ、そこは、あん」
「全部、見せて──」
私、何でここにいるんだっけ。ただ、唖然と立ち尽くすしかなくて、息が苦しくなっていく。
「ナツ、愛してる」