レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「俺、先生と付き合いたいなー」
「た、太央。あなた、お酒臭いんだけど」
「ん?」
「未成年なのに、飲んだとか信じられません」
「ふははっ、今そこなんだ?」
静かな空間に響き渡る笑い声。
近隣の住民に"迷惑"という単語が頭に思い浮かぶのに、太央を押し退けることも黙らせることもできない。
深夜に。しかも、かりにも生徒に抱き締められているという状況も理解しているのに。
「高校から切れてないんだよ、あの2人」
「……え?」
「くやしいなら、志保ちゃんも裏切っちゃえばいーよ」
「……痛っ」
この子が片手で私の頬を潰すように持ち上げてまたキスを落として──、
「ほら、俺とかどう?」
なんて、にっこりと口許を緩めた。