レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



「それに、本気で兄さんのためって思ってたなら。グズクズ計画たててないでー、さっさと()れば良かったんだよ。結局はうじうじ志保ちゃんに罪きせようとしてさー」


奈都の兄さんを好きで慕う思いは知っている。でも、今回の奈都の行動は余計なことまでやり過ぎた。

俺だって、志保ちゃんが望めば何だってやるつもりだけど。

例えば、奈都を消して欲しいと言われたら──。



「た……、太央くんだって私と一緒でしょ…?相手のためなら、相手の幸せのためならなんでも……」

「なに、寝言いってんのー?」


にっこりと口許を緩めて、奈都の頬に当てた手を首元に滑り落とした。



「……なっ、に…」

「ほっそい首ー。志保ちゃんはお前なんか消えて欲しいと思ってるだろうしー、俺だって2度と会わせたくないよ?」

「結局はあんたも同じ…」

「でも、俺がそれやったら志保ちゃん悲しむしー。愛情の押しつけってウザッ」

「……そんなことない。相手を思う愛が重ければ重いほど伝わるの」


「志保ちゃんはねー、今、部屋に閉じこもって毎日泣いてるよ。感情も不安定になっちゃってー、外に出られなくて仕事にも行けてないんだ」

「そ、そうなの?ふふっ、あはは。面白いわ、あはははは…ぐっ」


目元をひきつらせながら笑う奈都を見下ろして、首を掴んだ右手に少しだけ力を入れた。


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