レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



「近い。それにレールアウトなんて言葉、ありません」


近付いてくるから──、顔を押し出して両手で頬を潰した。



「うっわー、頭かたいね。ちょっと位いーじゃん」

「そういう問題じゃない」

「さっすが。先生は結婚さえも親に逆らえないもんねー」


ケラケラと心底楽しそうに笑うこの子は、相変わらずで癇に触る。

いつもそうだ。まだ子供のくせに、面白がって挑発するように私をからかうのだ。


「そんな事ありません」

「ふーん」

「ちゃんと同意のもとだし。()……、黒田くんが心配することは何もないから」

「ねぇ、本気でそう思ってんの?」

「もうすぐ、予鈴鳴るから早く戻りなさい」






志保(しほ)ちゃんの、先生ぶるところ好きだな」

「馬鹿なこと言ってないで…」





< 2 / 219 >

この作品をシェア

pagetop