レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
おばさまの優しさにが胸に染み込んで、不安と緊張が溶けていくのが分かる。
逃げたしたかった世界がこんなにも優しかったのだと。あの時、太央を連れて逝かなくて良かったと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「で、産まれるのは今年の冬だっけ?」
「は、はい……10月頃に」
「ねぇ、志保ちゃん。1つ提案があるんだけど。子供が産まれたら、ここで育てない?」
次に発せられたおばさまの言葉に一瞬時間が止まる。
太央も成央さんも私もポカンと口を開けていて、それに構わず言葉が続けられていった。
「ほら、あの人もいなくなっちゃったし。この広い家も寂しいのよ。子供がいたら明るくなるし、賑やかになるじゃなーい!成央くんいて気まずかったら、成央くんにはまた1人暮らしに戻って貰えばいーし」
「えー、ほんとにー?」
「おい、母さん!正気かよ!?」
「えー、だって。その方が太央くんちゃんと家に帰ってくるでしょ?親子は一緒に暮らした方がいいし。それに、その方が色々と安全じゃない?」