レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



「俺もそう思うー。兄さん出てっていーよ」

「待て待て、近所の人にはなんて言うんだよ?」

「細かい男ねぇ。成央くんの子とでもテキトーに言っておけばいいじゃない?」

「義母さんっ。ちょっと、待ってー。それは駄目!ムリ、ムリー!!絶対やめて。正真正銘、志保ちゃんのお腹の子は俺の子だからー」


おばさまの台詞に太央が顔を真っ青にさせるも、そんなのお構い無しにニコニコと口を開いていく。



「志保ちゃん仕事辞めちゃったんでしょ?太央くんもまだ高校生だし、それに上にも進学して貰わなきゃいけないし!」

「待ってよー、兄さんの子ってのはほんとに無しで!絶対却下だからねー」

「母さん、それは俺もちょっと困るよ」

「まぁ、それは置いといて、ね!他にも案はあるだろうし……。貯金がどのくらいあるか知らないけど、子供を育てるのはお金も沢山かかるのよ~!ほら、志保ちゃんよーく考えてね?」


うふふ、と向けられる笑顔。
もともと、おばさまはよく喋る方だった。けれど、あまりの勢いに圧倒されてしまう。



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