レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加






「課題未提出の人はー。放課後までにやって職員室に持って来るように」

「うえー」


私の言葉に太央が大袈裟に不満そうな声を出した。



「バーカ、お前なんでやってきてねーんだよ?課題点貰えねーぞ」

「未提出の人ーって、太央だけじゃん」

「えー、だってー」


男子生徒達が太央をからかうように会話をするから、クラス内にどっと笑い声が沸き上がる。

太央は成績は良い方なのに、提出物は忘れる、出さない、眠る、サボると授業態度がまず悪い。
わざとなのか、特に私の数学の授業は内申点はあげられない程だ。


教壇上の集めた生徒達のノートを両手に持って、教室を出ようとすると、



「はいはい、先生。重いでしょー?俺手伝う!」


太央が手を上げて慌てて立ち上がった。
旗から見たら従順そのもの。様子を見た生徒の何人かが笑いだす。



「マイナスは無しにしてー」

「手伝っても課題点はプラスになりません。マイナスです」

「えー、可愛い生徒が荷物持ちになるって言ってるんだよ?」

「なら最初から期限を守って下さい」

「奉仕の精神も評価してよー」


頬を膨らませながらも 太央は32冊のノートをひょいと持ち上げて、賑わう教室を2人で後にした。

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