レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
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繁華街中心部にある西洋高級レストラン。
テーブルの上に何本も並べられるナイフとフォーク。
白いシャツに黒のベストを身に纏うウェイターによって、順番に料理が運ばれてくる。
大きなお皿の真ん中に小盛りで飾られてくる豪華なコース料理。
前菜のサラダから、副菜、メインディッシュの子羊のローストまでタイミングよく提供されていく。
「すごく美味しいです」
「ここの料理、志保ちゃん好きそうだなと思ってたんだ」
「このソースがさっぱりしてるので、いくらでも食べられちゃいますね」
「良かった。二次会の候補でもあったんだよ」
そう言って、彼が安心するように口元を緩め、ワイングラスに口付ける。
「そうだったんですかぁ」
向かいに座るのは小さな頃から知っている3つ年上の幼馴染み。
清潔感のある黒髪に、二重の瞳を細めて見せる爽やかな笑顔。
黒田成央さん、28歳。
三木建設会社の社長でもある、父の直属の部下の息子。
来春、私は彼と結婚をする──。