レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「え、どうしてですか?私、志保さんの嫌がること何かしましたか!?」
「な、何かしましたかって。心当たりないんですか?」
「えーと、水族館、嫌いでしたか?」
彼女から滲み出てくるオーラに負けそうになるけど、ここで怯んだら駄目だ。
この先、成央さんとの関係をどうしたいのか、まだ決まっていないけど。
「私、知ってます。知ってるんです。あなたと成央さんの関係」
やっと絞り出した声は震えていた。
ドクンと、心臓が大きく脈打つ。
本来なら、成央さんと話し合うべきなのは分かっている。先に彼女を問い詰めるのは正解じゃないのかもしれない。
「えー、知ってるんですか!?あっはっはっはっーーー!!あ、……ごめんなさい」
廊下に奈都さんの笑い声が響き渡って、途中で病院だということに気が付いたのか彼女は声のトーンを下げた。
「ふふ。志保さん、鈍感そうだから全然知らないと思ってました!」
「……え、」
「むしろ、悲劇のヒロインぶって気付かないふりしてるのかなーとかぁ」
この人は、何を言ってるのだろうか。
「でも、大丈夫ですよ。別れてますから私たち。奈都さんが心配するようなことはありませんよ?お友達に戻ったんです!」
何で、こんなにも楽しそうに話を進めるのだろうか。
「セックスフレンドっていう名のお友達に」