レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「……成央さんは、私の事が嫌いなんですか?」
ぼんやりと自分の手元に視線を落としながら、しわくちゃになったシャツのボタンを留める。
「嫌いじゃ、ないよ」
返ってきたのは、さっきまでの行為が夢だったんじゃないかと思う程に穏やかな声だった。
顔を上げれば、いつとと変わらない物柔らかな成央さんだった。
嫌いじゃないなら、どうして奈都さんと抱き方が全然違うんですか?
彼女に対してはあんなに優しくて、甘い声を出していたのに。
高校の頃から付き合っていたのは本当ですか?
セックスフレンドという関係は本当ですか?
彼女を愛してるって、本当ですか?
「私のこと、好きですか?」
「……うん」
あんなに滅茶苦茶にされたのに、頭に乗せられる彼の手が優しくて理解ができない。
空いた間と、"好き"と返事はなくて。
何が正解で、何が不正解かなんて分かるわけがない。
駄目だ。もう、思考と体がバラバラで頭もぐちゃぐちゃだ──。
「……成央さん、私たち別れませんか?」