レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「でも、あなたのせいで期間限定にされたんですよ?高校卒業まで、大学卒業まで、籍を入れるまでって期間が延長されていって、結局謝られて振られたんですよ?ふふっ、彼をこんなに愛してるのに!」
クスクスと笑いながらする話なのか、理解が出来ない中で。奈都さんはいきいきと楽しそうに言葉を続けていった。
「別れたくないって泣いてすがれば、成央は優しいから縁は切らずにお友達に戻ってくれたんです!優しいから……優しいんですよねー!優しいけど、その優しさは残酷ですよねぇ。志保さん、そう思いませんかぁ?」
「……」
「もう、よく考えてくださいよ?成央は優しいけど、優柔不断で傷付きやすくて、すっごく弱い男の人なんですよ?だーかーら、私達で協力して守ってあげなくちゃいけないんです!」
奈都さんが私の手を両手でギュッと握って、首をコクリと縦に動かした。
「……え、?」
「ここで別れたら、成央くんの出世に関わるんですよ!会社での立場も悪くなっちゃったら可哀想だと思いませんか?」
「そ、それは……」
「そもそも、志保さんが個人的に成央に"別れましょう"なんて伝えたところで、本当に婚約解消なんて出来るんですか?」
「で……、でき…」
「もう式場も予約して招待リストも決まって、それを全部ぶち壊すってことですよ?はっ、あんたにそんな大それたこと出来んの?」