【完結】旦那には好きな人がいるらしいので私は身を引いて離婚します。
序 章 「疑心」
梅雨に入り、雨降る毎日に嫌悪感を抱く季節に旦那に違和感を感じるようになった。
「奈々、ただいま」
「おかえりなさい、ご飯にする?それともお風呂?」
仕事から帰ってきた旦那、樹さんを玄関に迎えに行けば知らない香水の匂いをほのかに感じる。
「飯は外で食べてきた、お風呂にするよ」
「うん、わかった」
旦那は最近、家で食事をすることが急激に減った。
「浮気……なのかな」
なんの確証もないまま、日々増加していくドロドロとした気持ちに反吐が出そうになる。
「……っ」
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