【完結】旦那には好きな人がいるらしいので私は身を引いて離婚します。
とりあえずの策で場を収めることに成功したものの、それぞれ食べたいものを注文しては黙々とお昼を済ませるだけで終始重い空気が漂っているのには変わりがなかった。
むしろ、さらに重くなった気がする。
「…じゃあ、そろそろ本題に入ろうか」
「そうですね、社長と奥様は私になんの用があってこのようなことを?」
池上さんは食後のコーヒーを堪能しながら、私たちに問いかけてきた。
「直球に言いますね、池上さんが私に送ってきた写真はなんですか?」
「あぁ…、あれですか?加工が得意な友人がいるんですよ、それでちょちょいっと、ね?」
池上さんは反省する素振りを一切見せることなく、むしろ挑発するかのような態度で私たちを見ている。