【完結】旦那には好きな人がいるらしいので私は身を引いて離婚します。
朝、目が覚めるとそこに樹さんの姿はもうなかった。
温もりを感じない冷たいシーツにただ触れるだけで私の心は虚しくなっていくばかり。
「樹さん……」
私の心は、気付かぬうちにズタボロになっていたのだ。
ふと、スマホに目を向けると滅多に来ないはずの通知があるのに気づいた。
「……誰からだろ?」
“突然の連絡申し訳ありません、藍沢社長の秘書を担当している池上と申します。早急にお伝えしたいことがあり、連絡させていただきました。単刀直入に申し上げます。社長と別れてください。”
「なにこれ……」
念の為と連絡先を登録していた秘書の池上さんからのメールには服が乱れた状態でベットに眠る旦那の姿が写されていた。