【完結】旦那には好きな人がいるらしいので私は身を引いて離婚します。
第一章 「確信」
「あぁ、そういう事だったのね……あの人、池上さんのことが好きなんだ……」
ストン、と心になにか落ちるように不思議と納得してしまった。
「はは、バカみたい」
今までは考えすぎかな?って誤魔化していたけど揺るがない証拠を突きつけられたらもう素直に信じるしかない。
「……離婚なのかなぁ」
溢れる涙は止まり方を知らないかのようにシーツを濡らしていく。
「好きだったのに、樹さんったら酷い……」
出てくる言葉は旦那を罵倒したりする言葉ではなく、ただどうしてこんな事をしたのという疑念だった。
「離婚届、取りに行かなきゃ……」