【完結】旦那には好きな人がいるらしいので私は身を引いて離婚します。
第二章 「誤解」
「……々、奈……、奈々、起きて」
「ん、樹さん?」
気づくと朝日は登っており、旦那の呼ぶ声に目を覚ました。
「奈々、この離婚届どういうことか説明してくれないか」
「え、……あ」
旦那の手には記入済みの離婚届、うっかり机の上に置いたままにしていたのを見つけたのだろう。
「俺と離婚したいのか」
言い逃れできない状況に私は観念して正直に話そうと決意した、不本意ではあるが話を聞くきっかけが出来たのだから。
「その事についてなんだけど、樹さんに話があるの」
「……わかった」