真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜

「おめでとうございま~す🎵」

彼女の登場を、他のタレントたちも待ち侘びていた。

類い稀な美しさと魅力を持つ彼女は、誰もの憧れなのである。


「今年も明るくセクシーなラブさん。去年は、スーパーダーツで度肝を抜いてくれましたね~。今回はかなり危険なものを披露してくれるということですが…」

「はい。まぁ…少~しだけね。今回は、Mr.隠し芸さんにも手伝って頂きます。ねっ❣️」

照れながらも、Mr.が手を振る。

「では、スタンバイをお願いします。さてさて、どんなスーパーアクションを見せてくれるのでしょう。ヨロシクお願いしま~す。ラブさんの侍パフォーマンスです!」



ライトが薄暗く落とされたスタジオ。

ポツリ、ポツリと3つのロウソクが灯された。

その中心に、目隠しをして素足で立つラブ。

右手には鞘に収まった日本刀。

スタジオ内が静まりかえっていく。
緊張感が、見る者の心を徐々に支配する。


「ィヤァッ❗️」

「ヒュン!」

一閃、空気を切り裂く音。

「カチッ」

ラブが刀をサヤに収めた。

誰も肉眼では捉えることはできなかった。
高速度カメラの映像が、スクリーンに映し出される。

そのスピードは、人の成せるものでは無い。

抜き放たれた刀。
右足を軸に1回転したラブ。

三本のロウソクは、全て真横に切られていた。

炎ですら微動打にせず。

皆が驚きの声を上げる。
それに一礼し、目隠しのまま自然体で立つラブ。

ラブの右5メートルに的が置かれ、左5メートルにMr.が現れた。

手にはボーガンを持っている。

10m先の的《まと》の前に置かれた林檎。
それに向け、Mr.が狙いを定めていく。

再びの沈黙・・・そして。

「シュッ」

放たれた矢が、ラブの目の前を通る瞬間!

「ヒュッ!」

「バシュ!」

林檎は見事に射抜かれ、的に突き立った矢にぶら下がった。

皆はその光景に拍手を送る。

しかし、ラブの技に比べれば、それは些細な驚きであった。
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