真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
ラブが、無表情で立ち上がる。

肩から片腕がブラブラとゆれている。


(大山さん・・・あなたでは、やっぱりこいつには勝てないよ・・・。アイ・・・行くよ)


「聖拳ってのは出さないのか?もっともそんなものは、だだのでまかせだろうがな」

「フゥ・・・」

やられた左腕を、右手で高く持ち上げるラブ。

「ハァッ❗️」

その腕を一気に振り下ろす。

「ガキンッ!」

肩が、はまった。
折られる瞬間に、自ら関節を外したのであった。

もちろん、大男でも悲鳴を上げるほどの苦痛を伴うワザである。

「そうですね。少しだけ本気を出してあげましょう。お前・・・この私を、舐めたね!。私を怒らせたことを、後悔しなさい🔥」

この丁寧な口調は、とてつもない怒りを放つ時であった。

大きく息をして、目を閉じる。

「お芝居はおわりだ、お嬢ちゃん」

マイクが、今までで一番に早い蹴りを放つ。
それが、ラブの顔を捉えたと思った瞬間!

「シュパンッ!」

マイクのアゴを、ラブの美しい脚が蹴り上げていた。

マイクはおろか、館内の誰の目にも留まらぬ、超スピードの蹴りである。

一瞬にして、そのアゴは粉々に砕けていた。

その破壊力は、超人的なスピードと、それに耐えうる体にあった。

10センチ程、浮き上がった長身は、闘技場に戻ると後ろによろめいて下がる。

その体を、舞う様に回転しながらラブの脚が横に、切る。

「ガハッ❗️」

細い脚がアバラを砕き、脇腹にめり込む。

そのままの勢いで、くの字に折れ曲がったマイクの背後につき、背中の中心に拳を合わせる。

「これは、大山さんと、そのお兄さんの想いよ。地獄に落ちろ❗️」

一瞬、背中に当てたラブの手が光る。

マイクの背骨から脳にまで、強大な衝撃が走る。

死闘の幕が下りた。
マイクの長身は静かに倒れ、それっきり、動くことはなかった。

この一撃は、その後、ラブを新たな窮地へと導くのであった・・・。
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