真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~新宿の高級スナック~

「昨日は、派手なことをやっちまったな、ラブ」

77やっちまったよぅ・・・はぁ~」

鬼島組長主催の、祝賀会?

「なんだか・・・今年は大変な年だわ。乗り越える自信がなくなってきた」

「いつものことじゃねぇか。まぁ、あんまり無茶すんなよな」

「あら?心配ィ?」

わざと鬼島に擦り寄る。

「あたりめぇじゃねぇか。俺はお前に命預けたんだぜ、俺より先に逝かれちゃかなわねぇ」

ラブは、こんなに愛してくれる仲間がいることを、本当に幸せに思っていた。

「疲れたわ・・・。組長、ちょっと胸借りるね」

その大きな胸に顔をうずめて、涙を隠した。

そのまま30分間、鬼島は店の全員を追い出し、ただそっと、ラブの小さな肩を抱きしめていた。


(ラブ、ティークが戻りました。アメリカのミサイル基地も何とか治まったようです。ただ・・・少し問題が・・・)

(分かったわ)

アイの非常通信で、現実に戻るラブ。


「鬼島さん。ごめんなさい、おかげで少し落ち着いたわ・・・って!寝てんのかよっ💦」

夕べの試合を見ていた鬼島は、興奮覚めやらず、部下を無理やりつき合わせ、徹夜で飲んでいたのであった。

サッ!とラブが席を立つ。

崩れかかった鬼島が目を覚ました。

「ラ・・・ラブ、あれ?」

「ヒュン!」

「うっ!」

振り向きざま、ラブの素足が、鬼島の鼻先5mmに伸びて止まった。

「ラブ、パンツが見えちまうぞ」

「大丈夫だよ。はいてないから」

「それは残念なことをしちまった。怖くて目をつぶっちまったぜ」

例えナイフが飛んできても、目を閉じない男が、目を閉じていた。

「な~んだ!ほんのお礼に、せっかくサービスしてあげたのにィ」

「もう一度、やってくれねぇか?」

「ば~か、冗談よ。自分に気合入れただけ! あ、そうそう、お台場ではありがとうね」

何度やっても、彼が目を閉じることは分かっていた。

バカがつくほどの立派な紳士である。

「お台場ぁ・・・。さて、何のことかな」

鬼島が優しく笑う。

「んじゃ!またね。組長も気をつけてね、西の方が最近怪しいから。バイバイ」

表に出ると、店員を含め、荷物もそのままに追い出された客たちが待っていた。

「あっちゃ~💧ごめんなさい。今日は組長のおごりだから、楽しんでいって!。お疲れ様ぁ」

そう言って、迎えにきた車に乗ったラブは、次の舞台へと、向かうのであった。



〜エピソード2・LOVE vs HEAVEN〜 完
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