真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
起き上がろうとした鬼島は、条件反射で地に伏せた。


『ズッドーンッ!!』

大きな門の扉を突き破って飛び込んで来た車が、鬼島の上を飛び越える。

『ギュン!!』

鋭くスピンして止まる。

『バンッ!バンッ!!』

その瞬間、窓から伸びた細い腕の先から、銃弾が撃ち出された。

『ガーンッ!!』


『グハッ!』

ライフルが暴発し、狙撃手が倒れる。

約150メートルの距離から、ライフルの銃口を撃ち抜いたのである。


『乗って!!』

助手席のドアが開く。

鬼島が、力を振り絞って乗り込む。

ゆっくり運転席を見る。

『あんたは・・・どこかで・・・!!』

『あなたのお父様は、私の大切なファンだったのよ。亡くなられた後、天国から手紙をもらったの。バカ息子を頼むってね!』

『まさか・・・』

『驚いてるより病院が先よ。』

『ダメだ・・・助けに行かねぇと・・・。』

さすがの気力も限界に近づいていた。

『ムリムリ!全くもう。「あなたの街」は、大丈夫よ。安心してお休みなさい。』




~橋の上~

大勢の警察が着いた。

「な・・・なんだこりゃ?」

指揮官の内山の目が点になった。

橋の上には、真っ二つに切られた車や銃が散乱し、100人程の男たちが倒れていた。

「内山さん、こいつら黒龍会の者ですね、それから・・・全員生きています」

「いったい、何があったんだ・・・?」



~山崎の城~

「鬼島さん、このことは、誰にもナイショよん。まぁ・・・言っても誰も信じないと思うけどね」


(アイ、彼をお願いね)

(ラブ様、あなたは?)

(ちょっと後始末を)


そう言って、ラブは、車を降り、「城」へと向かった。

その後ろ姿を、かすかな視界で見ながら、鬼島は気を失ったのである。
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