真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~数日前~

ラブからもらった飛鳥組の情報に、鬼島は悩んでいた。

関西との抗争は、勝っても負けても、甚大な犠牲が出ることが目に見えており、それだけは避けたかった。

しかし、中国と連携する飛鳥組の真意は全く見えず、次の一歩を決めあぐねていたのである。


小さな駅前に車を停め、コンビニで新聞を買って出てきた鬼島は、隣の店から出てきた女性とぶつかってしまった。

道に倒れた女性に、慌てて手を差し出す。

「すまねぇ。ボーッとしていた俺がいけねぇんだ。怪我はないか?」

女性は、その手にすがって、ゆっくり立ち上がった。

「いえいえ、こちらこそ、うつむいて歩いていたものですから・・・」

女性の顔をのぞき込んだ鬼島が驚く。
女性の目は、涙に潤んでいた。

「こりゃ参ったな💦 ど・・・どこか痛いのか?とりあえず車で病院へ送ろう」

慌てる鬼島。

「あっ・・・いえ、これは違うのです。大丈夫ですから」

そう言って、バッグを拾う彼女。
そのバッグから、一本の花が落ちた。

そのちぎれた花を拾い上げ、しゃがんだまま動かない彼女。

その頬を、涙が伝っていた。

「おいおい。こりゃ、重ねて悪かった。すまん。大切な花だったのか?いやぁ・・・どうしたもんか」

鬼島の頭は大パニック。

「いえ、だから違うんです。この花は、私が自分でちぎったものです。あなたのせいではありません」

「・・・はぁ?」

さらに分けがわからなくなる鬼島であった。
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