真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
【22】世界の声
~テラ~

小田たちとメイを残し、ラブは応接ルームへ向かった。

すれ違うみんなが、心配そうな表情で会釈する。


「社長! ・・・あ、いや、ラブさん」

後ろから声をかけられ、振り向くラブ。

「あ・・・なたは確か・・・。赤倉さん」

テラでの初仕事の日、いきなり全裸のラブと遭遇した新人ADであった。

「はい。あの時はどうも。ラブさん・・・大丈夫ですか?みんな心配しています」

フロアにいた者たちが、ラブを見つけて集まって来る。

「僕は、あんなことどうでもいいと思います。事実だったとしても、ラブさんはラブさんであって、そんなラブさんのことをみんな大好きだし、ええっと・・・つまり・・・安心してください!みんなラブさんの味方ですから❗️」

周りの皆も、同じだと言わんばかりにうなづく。

ラブは、一生懸命に思いを告げてくれた赤倉に、そっと抱きついた。

「ありがとう。赤倉さん。心配かけてごめんなさい」

完全硬直の赤倉。

「赤倉さん、お願い・・・すこしの間・・・私を抱きしめて」

ラブの小さな肩が震えていた。

人知を超えた存在。

その事実を知られた自分が、この先この地球《ホシ》で、人間として認めてもらえるのか?
結果的にだましていた自分を、誰もが許してくれるのか?

この先自分はどうなるのか?

ほんとは、誰かにすがりたかった。
誰かに支えてほしかった。

強がって冷静に見せていたラブの小さな心が、赤倉の優しさで弾けた瞬間であった。

「ラブ・・・さん」

赤倉は、思いっきりラブの体を抱きしめた。
そこへ、ヒールの高い靴音がゆっくり近づいてくる。
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