真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
「ラブ、そろそろ」

静かにヴェロニカが話しかけた。

「赤倉さん・・・。もう行かなきゃ・・・・・・」

別れ際、ラブは彼の耳元で何かをささやいた。

「んじゃ、よろしくね。頑張ってくるわ❣️」

頬に軽くキスをして、ラブはヴェロニカの方へと歩いて行く。

「ラブ。あなたって、キス魔でございますか?」

「そんなに丁寧に聞かれたら、そうですって答えたくなるわね。ハハハ。チガウわよ!」


応接ルームのドアを開いた。
が、中へは入らなかった。

中にいたスーツの3人が、戸惑いの表情で見つめる。

「お待たせしました。話はお宅でしましょ。ヴェロニカ、少しの間帰らないと思うわ。ヨロシクね。何かあったら・・・」

(ここに送って)

自分の頭を指差してウィンクするラブ。

そうして、出てきた男たちに向かって、両腕を差し出した。

「いえ、ラブさん、まだ任意同行です。それに、あなたに手錠なんて、たとえ殺されてもできません」

「あら、心強い方々でございますわね、ラブ。確かに・・・手錠なんかかけたら、世界中からあなた殺されるわ。ホホホ」

「ヴェロニカったら、悪い冗談だよ!全くもう。ごめんなさい」


警視庁は、危険因子として、とりあえず任意同行の名目で、ラブの身柄を拘束したのである。

こうしてラブは、その後暫く、世の表舞台から姿を消すのであった。
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