真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~TERRA~

ヴェロニカとT2はマイク・レイズの行方を追っていた。

「T2、結局HEAVENと繋がってらっしゃること以外、何もでて参りませんわね…」

「ああ…参りませんわねぇ~」

わざと茶化すT2。

「はぁ~」

きっと文句の二つや三つ、言い返してくると身構えていたT2には、予想外な溜め息であった。


「お、おいヴェロニカ、シッカリしてくれよ」

その理由は知っていた。

「お前さんの殿方は何処へ行かれたんかな?」

「さぁ…。それが分かれば苦労はいたしませんわ」

ラブが拘束されてすぐ、ティークの姿は、テラから消えていた。

「それよりヴェロニカ。こんなとこでため息なんかついてないで、迎えに行かなくていいのか?」

「ええ。こんな時にわざわざ来て頂かなくてもけっこうでしたのに、全くもう・・・」


丁度その頃、テラの正面玄関に、VIPが到着した。

アイの連絡が入る。

「ヴェロニカ、たった今、到着されました」



~テラの玄関~

厳重な警備の中、鷲崎首相自らが出迎えに立っていた。

「ようこそ、ラルフ官房長官」

「これは、首相。お出迎えありがとうございます」


ロシア官房長官、ラルフ・ヴェノコフ。

「あなたには、どうしてもお会いして、先日のお礼を申し上げたく、お忙しいところ、押しかけてしまいました」

「いえいえ、世界平和のため。人の命に国境はこざいません。・・・これは、ラブのセリフですがね。ハハハ」

ロシアの次世代エネルギー施設崩壊の際に、ラブの熱意に負けた日本組織は、救出活動に全力を注いだのであった。



「ここが、あの有名な「TERRA」ですか・・・」

「ええ。ラブの城です。実は、この国のどこよりも、ここが一番安全でしてね」

鷲崎が会合場所に選んだ理由であった。

フロアに入った一行に、ヒールの靴音が近づく。


「パパ。少し太ったんじゃございませんか?」
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