真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
【3】ララ
ララは、家から五キロ離れた町へ、毎日歩いて通っていた。


上流階層が闇で通う店。
通称『パーツショップ』。

もともと兄がいた店である。

表向きは、自動車や家財類の部品を取り扱っているが、裏では人身売買や臓器売買を行っていた。

上流階層が来るのは、主にこの『闇パーツ』が目的であった。


久しぶりに見たララは、痩せ細り、満面の笑顔が、逆に悲壮感を際立たせていた。

それでも、ラブを見つけたララは、思いっきりの笑顔を見せた。


「ラブ〜❣️」

「ララ❣️」

抱きしめようとしたラブから、ララはとっさに一歩下がった。


「どうしたの?ララ。ハグしよハグ!」

「でも…私…くさいから…。ラブの服が汚れちゃうし。ごめんなさい」

ラブにとって、予想もしていなかったこの言葉は、強く彼女の胸を締め付けた。

瞬時に、ラブはララを引き寄せ、思い切り抱き締めたのである。


「そんなこと、どうでもいい!こんど謝ったら、もう友達やめちゃうからね…ララ」

抱き締めると、ララの痩せた体が実体として伝わり、余計に涙が溢れた。


「ごめんなさい。泣かないで、ラブ。笑って」

明るいララの笑顔がそこにあった。



その夜。

ラブは、ララと二人のその弟を連れて、町の大きなホテルへ行った。


「レストランで思いっきり食べよう~!」

というラブの提案に、ララが身なりを気にしたためである。

そこで、ホテルの大きなバスで体を洗ってからということにした。


「ラブって、キレイ。触っていい?」

と同時に、ララの手が胸に触れ、ラブは一瞬引いた。

「ちょ💦いきなりは許してよ~。私にも心構えってのが…」

冗談で誤魔化そうとするラブをよそに、ララはラブの胸に顔を埋め、右手で左の胸を優しく握っていた。

「ママ…」

そう聞こえた気がした。

ラブはそっとララを抱き締めた。


二人の弟たちは、初めての大きなバスに、『海だ~海だ~』とはしゃいでいる。

弟たちは、ララのおかげで、働かずに学校へ通えていたのである。
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