真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~1週間後~

やっと世界は、ラブに自由を通告した。

しかし、彼女の傷付いた心は、すぐにはそれに応じられなかった。




そんな時、彼女の病室を鷲崎首相が訪れた。

「ラブ、無事で何よりだ」

「鷲崎さん・・・」

ラブは、その後ろに立つ人物に、これが「お見舞い」ではないことを悟った。

「松阪さん。お久しぶりです。自衛隊総本部長のあなたが、どういうことかしら?」

「ラブさん。こんな形でしかお見舞いに来れず、すいません」

「ラブ、これを」

鷲崎がテーブルに携帯モニターを置き、スイッチを入れる。


「ラブ、大丈夫か?」

「バーン⁉️・・・大統領まで❓」

「すまない。EARTH の力がどうしても必要なんだ・・・」

こうして、結果的にラブは、HEAVENによって世界へ開放されたのであった。



テラでは、アイとT2がヴェロニカの行方を、必死になって探っていた。

捜索を始めてすぐ、東京から20キロ離れた海中で、ヘリの残骸が発見されたが、遺体は見つからなかった。

軽い怪我で済んだラルフは、日本での捜索をこの国に任せ、既にロシアへ帰国していた。


「ラブ、不審な船はねぇな。潜水艦にでも乗り換えたか?」

T2は、近辺にいた2百隻ほどの船を、追跡調査したのであった。

「アイ、潜水艦なら、監視衛星で追跡可能では?」

「それが・・・実はラブ様、テラの防衛システムにトラブルが発生し、暫く探知不能だったのです」

「あなたが?珍しいわね」

「はい…原因は、まだ分かりません」

「そう・・・。ヴェロニカ・・・」

悲し気につぶやくラブ。

間宮、鬼島の死。
そして、ヴェロニカの誘拐。

自分に関係した人たちが、次々に消えて行く。
その思いが、ラブを苦しめていた。

「アイ、ティークから連絡は?」

「ペルーのミサイル基地に異常はなく、間もなく再起動に入るとのことです」

「アイ、あなたも監視していてね。嫌な予感がする・・・。例の海域の調査は?」

「はい、アメリカ海軍と自衛隊が調査中です。今のところ、変化はありません」



その頃、サマーフェスティバルのお台場では、間もなく始まる花火大会に、大勢の人々が集まっていた。

その主催場であるテラへと続くメインロードに、10台のワゴン車が停まった。
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