真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
要塞の制御パネルに手を当てた。


「メイ・・・ありがとう」

目を閉じたラブの脳裏に、メイの記憶が走馬灯の様に蘇る。

(キス…ちゃんとしとけば良かった。歯磨きぐらい、ちゃんとしないから…メイ)

閉じた瞳から、大粒の涙が、装置に落ちて跳ねる。

「大好きだよ。メイ。さよう・・・なら」

添えた手に力を込める。

「ギュイーン❗️」

トリノ砲が発射を迎える。

ラブの手首に光のリングが現れ、額の紋章が光輝き始めた。

ラブを、眩しい光が包み込む。

ラブは、手に触れたマシンとコンタクトし、自在に操る特殊能力を持っている。

今回の相手は、太古の強大な兵器と、この星のエネルギー。


「アアアァァァーー❗️❗️」

ラブが叫ぶ。

小さな体に、とてつもないパワーが跳ね返ってくる。

治癒を始めた傷口が開き、鮮血がほとばしる。

「グウッ⁉️」

懸命にこらえるラブ。

「絶対に・・・負けない❗️メイッ、私の想いを、受け取って。ィヤァーッア❗️❗️』

ありったけのパワーを放つ。

「ギュィーーン❗️」

抵抗するシステム。

「…お願い、この星を守って。私に…力をかして❗️」

懸命に祈るラブ。

と、その時。
何かが、ラブの心に入ってきた。

(⁉️…なんて…あたたかな力。これは…)

それが、この星が持つ本当の力であり、帝国が守ろうとしたものだと、ラブは悟った。

「ありがとう」

目を開くラブ。
装置全体を、優しく美しい光が包んでいた。

その光は、海に浮かんだ遺跡をも包み込み、その優しくあたたかな空気の波は、全世界の全ての生き物へと伝わった。


「ありがとう地球《テラ》。メイ、今行くよ❗️」


「ピシッ…ヴゥアッ✨💥✨」


トリノ砲が発射された。

目標であったはずの東京ではなく、ペルー共和国、ナスカへ向けて・・・。


「メイ・・・ァァ・・・」

ラブの気力が限界を超えた。

「ラブ❗️」

崩れ落ちるラブを、ヴェロニカとT2が支え、床に横たえる。

「ラブ、良くやった。クソッ!なんでいつもお前ばかりこんな・・・」

「ガンッ❗️」

拳が床に大きな窪みを作る。

「T2、ヴェロニカ・・・あなたたちのおかげよ。あり・・・がとう」


意識を失うラブ。

その頬を、熱い涙が流れ落ちた。
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