真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
「ほらよ」

T2がラブに背中を向ける。

「え?」

「帰りは背負ってやるよ」

「あれは、冗談よ。ハハ。でも、せっかくだから、甘えちゃおっと!」

T2の背中に飛び乗るラブ。

ゆっくりと、坂道を下って行く。


「そういえば、ラブ。メイのカメラで写真を撮らせたのは、お前だったんだよな?暴露した三井ってヤツも、お見舞いに来てたし、どういうことだ?」

「あっ💦話すの忘れてたわ」

「おい!放り投げるぞ」

「ごめんごめん。メイにカメラを持たせたのも、三井さんを武道館に呼んだのも私よ」

「はぁ?」



ヴェロニカに自分の秘密を話した時、彼女はヴァロンの遺跡の話を教えてくれた。

それをヘブンが狙っていることも、あの紋章が鍵であることも。

一方、マイク・レイズとの試合が決まった時、ラブは、アイとEARTHを使ってその素性を調査し、HEAVENとの関係やヒューマノイドであることを知ったのであった。

わざと、自分の紋章をマイクに見せ、それを気付かせるべく、三井に写真を公開させたのである。

全て、HEAVENをおびき出すために、ラブとアイが仕組んだ策略であった。

もちろん、自分の秘密をバラすリスクはあったが、HEAVENと決着をつける覚悟の上での賭けであった。

また、その秘密を隠していることに、罪悪感を感じていたのも事実であった。


「おいおい、そりゃあねぇぜ。わざと捕まったってことか?」

「そうよ。HEAVENにとって、私のいない世界は、好都合でしょ。必ずボロを出すと思ったの」

「そこで、引っ掛かって来たのが、ラルフってわけか。全く、よくやるぜ」

ラブの顔が曇る。

「でも・・・その代償は大きかったわ」

「バカヤロウ。そもそもレムやトリノ砲なんてのは予想外なんだし、ヘブンを壊滅できたのは事実だ。もし、あのままだったら、この先もヘブンのせいで、きっと大勢の人々が死んでたんだぜ。みんなの死は、決してムダじゃないさ」

珍しく、長ゼリフであった。

「T2・・・。ありがとう。勝手かもしれないけど、私もそう思うことにするわ」

「そうそう!そうでなきゃ、あいつらが浮かばれねぇや」

「うん」

「でも、俺をダマした罰だ。ホイっ!」

「ドスンッ!」

T2が手を放し、ラブがしりもちをつく。

「いったぁい!!怪我人のスターを落っことすかなぁ・・・もう」

「ハハハハ」

笑い合うラブとT2。


そこへ、一人の男が通りかかった。
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