真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
「もしかして・・・」

その声に振り向く二人。

「あっちゃー!本物のラブさんじゃき!まっこと、どないなっちゅうがやろう」

「ラブ、何語だこれ?」

「フフ。土佐弁って言葉よ。もしかして、山口・・・良介さん?」

「はい!覚えてくれちょったが。嬉しいぜよ。なんで分かったが?」

「え・・・え~と・・・」

ラブの視線は、良介の鼻に残る歯型を見ていた。

「ああ!これか。いやいや、メイさんの酒っぷりには参ったぜよ。でも、今じゃあ、この傷が、なんやあの子の形見みたいに思えて気に入っちゅうがやき。ハハハ」


メイの母、美紗の初恋の人であり、美紗が死ぬまでの間、一緒にいた人である。

その後は、良介の家に呼ばれて、色々な話に盛り上がった。

世界のスーパースターが来たということで、町中の人が、食べ物や贈り物を持って集まった。


「T2・・・。あったかいね。ここ。」

涙ぐむラブ。


それに気づいた郵便局長が言う。

「おい!良介。お前天下のラブちゃんを泣かせちゃあいかんやろうが❗️」

「はぁ?俺はなんにも・・・」

「皆さん・・・違うんです。これは・・・何だか、とても幸せで。嬉しくて」

慌ててラブが弁解する。

「ラブさん。無理しちゃあいかんぜよ。疲れたら、いつでもここへ帰っといで。今日から、あんたもここの仲間じゃき」

「・・・ありがとう」

ラブの涙が溢れ出した。

「ほれ!局長さん。おまんのせいぜよ。怖いのは顔だけにしちょきや」

タバコ屋のおばさんが茶化す。

「こりゃあ、参った!!ハハハハ」

「ハハハハッ」



結局その夜は、良介の家でやっかいになったのである。

久しぶりに、安らかに眠ったラブであった。

良介はというと・・・襖一つ隔てた部屋で、全裸のアイドルが寝ているというだけで、一睡もできなかったのだが・・・。
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