真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~翌日の早朝~
バス停で、盛大に見送られながら、ラブはそこを離れた。
しまいには、万歳三唱まで出る始末。
「T2・・・大丈夫?」
「お・・・おう。任せとけ!」
実はお酒に弱い彼は、完全な二日酔いであった。
「こんなんで、何を任せるっていうのよ、もう」
「お嬢さんは、タレントさんかね?」
斜め前の席から、老人が話しかけてきた。
「はい。一応そんな仕事をしています。おじいさんは、旅行か何かですか?」
大き目のバッグを抱えた姿を見て、ラブが問う。
「墓参りじゃよ。長年連れ添った者が最近亡くなってしまってのう」
「そうですか・・・それは残念なことですね」
その時、T2が限界に達した。
「ラブ、悪ぃ、チョット失礼するぜ」
運転席へと歩いて行く。
「兄ちゃん、酒くせぇぜ。大丈夫かよ77「
3つ前の席にいた、遊び人風の男が声をかける。
それに無言で手を上げるT2。
バスを止め、外へ出る。
草むらへ向かって、むせるT2。
その目がふと、バスの後ろに止まった黒塗りの車に気づいた。
(ん?なんだってんだこりゃ)
ラブがバスの外を心配そうに伺った瞬間。
老人が短い杖をラブに向けた。
「弟の仇だ。死ねトーイ」
「バシュッ❗️」
「ラブ⁉️」
T2が慌ててバスへ戻る。
杖を落とし、崩れ落ちる老人。
遊び人風の男が伸ばした腕に、拳銃が握られてた。
少ない乗客と運転手が、悲鳴を上げながらバスを降りて行く。
「てめぇ❗️」
「T2、待って」
ラブが止めた。
男が銃をしまい、ラブへと歩み寄る。
笑顔で会釈するラブ。