真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
ラブが国会に着いた時は、もうそれは会議ではなく、ただの愚かな喧嘩であった。

お互いに相手の言葉尻を捕まえては、批判し合い、中には掴みかかる者もいた。

そんな中、冷静に頭をめぐらせていた鷲崎首相が、入り口に立つラブに気づいた。

それは、爆発寸前の火山であった。


「やめろ❗️この・・・バカヤローッ❗️」

ラブの声が響き渡った。

争いの手を止めて、全員が声のした方を向く。


「あなたたちは、何を・・・あなた達はいったい何をやっている❗️」

ゆっくりと、その中心へと歩いて行く。


「何のためにここにいる!国民が見ている前で、何をバカみたいに争っている!」

グッと握り閉めた拳が震える。

「人の命に国境なんて関係ない!今、助けを求めている人がそこにいて、救えるのは私たちだけなんだよ!なのに、あなた達は何をやっているの・・・」

怒りと絶望と落胆の表情を、熱い涙が流れ落ちていた。


「橋田さん、国の経営を担うあなたの責任感は立派です。費用が問題ならば、全て私が持ちます。それでいいですね?」

経理大臣は、彼女の気迫に、答えられなかった。

「染山さん、それは国民の意見だと思いますか?あなたご自信のこだわりではありませんか?北方領土問題で戦った人たちは、国土を問題にしていたのであって、一度だって、人の命を問題にしたことはないはずです」

図星であった。

染山は北方領土問題で活路を見出せず、様々な批判を浴びたことがトラウマになっていた。


「あなたたちは、たったそれだけの人間なの!?立場が大事?命よりも大切なの?国民に選ばれた時、何と言った?何を約束した?あれは全て嘘なの?ここは、何をする場所?よく考えてよ❗️」
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