真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
歌い終えたラブが入ってくる。


「お疲れ様、ラブ。あの新曲は今度の子供の日のテーマソングね。いい歌でしたわ。テレビ中継して、宣伝なさればよろしいのに」

「ありがと、ヴェロニカ」

ボランティア企画を、営業的に使いたくないというのが、ラブの意思であったし、予定外の披露曲でもあった。

「今のところ、問題はないようね」


「お嬢様が、何人かお気に入りを見つけた様っすよ」

T2が、つぶやく。

「T2にもちゃんとなさる様に言ってくださいませ。私は、だだ…ちょっと怪しい感じの・・・」

「いかつい顔して、額に傷がある大男か?」

ニヤっとT2。

「・・・え?はい。その殿方は、歌い終わったラブを追う様に、会場から出て行かれましたので・・・って、何でT2が知ってるのでございますか?」

「確かに、あれが会場にいちゃあ、怪しいよな、ほら」

入り口に「怪しい大男」が立っていた。

「あら!大山さん」

TERRA内の『神明館』で、空手の師範を勤める、大山薫である。

「失礼します、ラブさん。少しお願いがありまして・・・」

その時、ラブの携帯が鳴る。

マネージャーのメイからであった。

「ちょっと待って」
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