真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~TERRAのカフェ~

神明館の師範、大山(45歳)が、緊張した面持ちでラブと向かい合っている。

スーパースターと二人で、カフェデート?。

まるで美女と野獣の組み合わせは、周囲の客の注目を浴びていた。

「ごめんなさい・・・店を間違えたかな私。」

大山の額を伝う冷や汗に、ラブが「クス」っと笑う。

「い、いえ・・・け、結構です。こういう「かふぇ」は慣れてないもので💦」

「で・・・今日は何の御用?まさか、先週壊した、サンドバックの話?」

「いや、あんなものいいんです」

「じゃ・・・先月壊しちゃった先代の銅像の鼻?・・・まさかあんなに簡単に壊れるとは思ってもみなくて・・・ペキって、ペキってね・・・ハハハハ・・・💦ごめんなさい」

テーブルにひれ伏すラブ。

神明館は、流派関係なしのフリー武術。
そこで、ラブは師範代として、時々稽古をつけてやっているのである。

「えっ!壊したんですか?」

「えっ!まだばれてないの?あらやだ、どうしましょ💧。私も言わなかったことにするから、聞かなかったことに・・・ごめんなさい。深く反省しております」

再びひれ伏したラブが、顔を上げると、大山が頭を下げていた。

「なんで~っ💦どうしたの大山さん」

「銅像のことはいいので、じつは、お願いがありまして」

「その前置き言われちゃうと、断れないじゃん!。私でできることなら」

「ラブさんにしか、頼めないのです。実は・・・」

と、その時。

(ラブ様! メイから緊急連絡です。)

ラブの頭に、アイの声が届いた。

もちろんそれに気付かない大山は、一生懸命に説明を続けている。

(東京へ向かう機内で、メイが狙われました)

(・・・⁉️メイはどうなの?)

(幸い、メイは無事ですが…)

「良かった・・・」

大きなため息をつくラブ。
それを聞いた大山。

「え!、そう言ってもらうと、気が楽です。そこで・・・」

大山が説明を続ける。

(しかし・・・美樹ちゃんが、撃たれました。母親と、東京に向かう途中であった様です。ラブ、直ぐに成田へ向かってください)

「分かったわ」

事の重大さに、大山の話など聞こえていないラブ。

「ほんとですか!! では、後で・・・」

それを知らない大山。

「大山さん、緊急の仕事ができてしまって。いつものアドレスにメールしておいて。ヨロシク!」

喜んでいる大山を後に、ラブは吹き抜ける風の様に出て行った。
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