真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~高知龍馬空港~

離陸間近の機内。

「じゃぁ、一度自分の席に着くわ。また後でね、おっちゃん」

離陸までの間、VIP席で、鷲崎相手にこの旅のことを語っていたメイが、自分の席を探しながら、奥へ進む。

「メイ様でございますか?」

金髪の乗務員が話しかけた。

「そうですけど・・・何か?」

「お席へご案内いたします」

(いきなり、金髪から名指しかよ!あ~ビックリした。しかし何で?)

「こちらでございます。メイ様」

(何なのよ気持ち悪い)

そう思いながら席を見たメイは、隣席の少女と目が合った。

「美樹ちゃん⁉️」

「メイ❣️」

少女の奥には、女性が座っており、メイに軽く会釈をした。

「美樹ちゃん。もしかして・・・」

「うん。私のママ」

少女とメイは、東京の孤児院で出会った。

節分イベントに出かけた赤鬼のメイの手を引っ張り、

「来てくれてありがとう。」

と言ったのが美樹であった。


「お母さん見つかったんだ!良かったね。」

「ありがとう。ママは、高知にいたんだ。事故で記憶を失っていたんだって。でも、私のことは分かってくれたんだよ。私は捨てられたんじゃなかったんだよ」

「よかった〜本当に良かったね」

今までで一番の美樹の笑顔に、メイは涙を流して喜んでいた。

「美樹ちゃん。実は私のお母さんも、高知にいたんだよ。昨日会って来たんだ」

「ほんとに!!良かったねメイ。お母さんも乗ってるの?」

「・・・。ううん。私のお母さんはね、高知を離れられないの。大丈夫よ!もう何処へも行かないから、いつでも会いに行けるし。ところで、東京へは何をしに?」

「お母さんと、今までお世話になった人に、お礼を言いに行くの。ラブとメイのところにも行くつもりだったんだよ」

「そっかぁ。んじゃ、空港着いたら、一緒に行こ!。今日はラブもいるから」

飛行機が離陸体制に入った。

こうして、思いもかけない旅の友が増えたのである。

・・ほんの少しの間。
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