真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
走り込むように入って来たメイに驚き、鷲崎が尋ねる。

「め、メイ・・・どうした?」

「なんか・・・何か変なのよ。私のどっかに名札でも付いてる?」

「い、いや。そんなものはないが・・・」

「だよね~。まぁ、いっか。それより、おっちゃん。美樹に会ったよ!」

鷲崎もラブに頼まれて、美樹の母親探しに協力していたのであった。

と、その時、あの女が入ってきた。
手には拳銃が握られている。

「何だお前!」

ボディガードが鷲崎の前に立つ。

「バシュ!バシュ!バシュ!!」

一瞬にして、3人が床に転がった。

「おっちゃん!逃げて❗️」

メイの声に、動きかけた鷲崎の目が、銃口を見て止まった。

叫んだメイの体が固まる。

女の銃口は、メイを狙っていたのである。


~H2~

「あれ?ママ、メイは?」

トイレから帰ってきた美樹が尋ねた。

「今さっき、前の方へ行っちゃったわよ」


~H5~

モジャ髭の男の耳は、かすかな拳銃の音を感じ取っていた。

男が席を立つ。

その前を、少女が駆けて行った・・・。


~VIP席~

「メイ、あんたには、ラブより先に死んでもらうわ。ほんの挨拶代わりにね」

女の指先に力が込められて行く。
と、その時。

「メイ~♪」

「美樹!来ちゃダメ⁉️」

「バシュ❗️」

(…っ⁉️)

「メ・・・メイ・・・」

美樹の胸にジワジワと血が滲んでくる。

メイの目の前で、美樹の体が、ゆっくり床に崩れ落ちて行った。

「美樹⁉️・・・こっのバッカヤロー❗️」

メイが女に突進する。

「バシュ!」

メイの肩に激痛が走る。
しかし、怒りの方が、はるかにそれに勝った。

メイのタックルで、女が後ろに吹っ飛ぶ。
弾みで拳銃が通路の方へと転がった。


「美樹っ❗️」

メイに抱き起こされた美樹の胸は、もう真っ赤であった。

「動くな!」

拳銃を構えた金髪の乗務員が現れた。

その後ろでは、撃たれた数名の乗務員が倒れている。

女も起き上がってくる。


「なんで・・・なんで美樹を撃った❗️」

メイが鬼の様な目で女を睨みつけた。
噛み締めた頬が震えている。

『なんで撃った❗️子供だぞ❗️」

女の顔に、若干動揺の表情が見えた。

「恨むなら、ラブを恨みなさい」

金髪の銃口がメイの額を狙う。
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