真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
向けられた銃口など、怒りに燃えるメイには、目に入らない。

「キサマ、ヘブンか❗️」

ラブがヘブンを追っているのは知っていた。

「美樹ちゃんは、関係ないだろうが💢」

美樹を抱きしめたまま、銃の前へ立ち上がるメイ。

燃える目で一歩踏み出した🔥。

「メイ、よすんだ❗️」

鷲崎が叫ぶ。

メイの気迫に、引き金にかけた指が一瞬とまどう。

その瞬間。

「バシュバシュ❗️」

空気を潰したサイレンサーの音が2発。

頭を撃ち抜かれ、二人が床に倒れた。

メイと鷲崎が、かすかに煙りの立ち上がる銃へと目を向けた。


入り口には、拾った銃を片手に、モジャ髭が立っていた。

黒スーツの男が、前方を確認に行く。


「大丈夫かメイ?」

「あんたは・・・」

モジャ髭がサングラスと髭を取った。

「鬼島組長!」

関東を束ねるヤクザ、鬼島組組長の鬼島龍平(38歳)であった。

大きな抗争で、ラブに命を助けられた彼は、彼女に命を預けることを誓った一人である。

お忍びで、高知のヤクザとの会合の帰りであった。

「…遅いよ・・・組長・・・」

「すまん。まさか、発砲するとは・・・」

メイの腕の中、血まみれで動かない少女を見つめる。

「…ラブに・・・ラブに知らせなきゃ・・・美樹、死んじゃダメ・・・」

力無く、メイがつぶやく。

拳銃を持ったまま、鬼島が機首へと走る。

「バシュ!バシュ!バシュ!!」

内側からロックされたコックピットのドアに3発撃ち込み、ドアを蹴破った。

「おい、運転手! 殺されたくなかったら、成田までぶっ飛ばせ❗️」
< 73 / 188 >

この作品をシェア

pagetop