真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
~ロシア北部~

日本では、5月5日。
「子供の日」イベントの朝である。

ジルターンの町外れに、今は使われていない広い農場跡があった。

その中心にある建物に、黒い影がジワジワと忍び寄る。

入り口には見張りの男が二人立っていた。


(フッ。廃屋に見張りを出すか・・・まずいな)

ティークである。

「ラブ、どうやら気付かれたようだ。恐らくは罠だな。衛星で爆弾のスキャンをかけてみてくれ」

「ティーク!そんなことしたら、逆探知されて、作戦がばれてしまうぞ」

EARTHのエージェントチームの隊長である。

「潜んでいるなら、わざわざ、目印を立たせたりはしないさ。連中はとっくに気付いているよ。しかも二人だ、犠牲にするには妥当な人数さ」

「了解、ティーク。中の様子は分からない?」

テラの地下基地から、ラブが答える。

「この距離では、確認できないが、これ以上近づくのは、スキャンを見てからだ」

「アイ、急いで!」

モニターに、農場のスキャンデータが映し出される。

「データを送ったわ。連中も同じ手は使わないと思うけど…!ティーク・・・」

携帯モニターに、彼らの周辺が徐々に映し出される。

「ああ、ラブ。やられたな」

彼らを取り囲む様に、黒い影がいくつも並んで映っていた。

(無人か・・・探知できなかったわけだ)
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