こんな溺愛,ありですか?
何故か私の横を並ぶ辰馬くん。



「たまには見送ってやろうと思ってな」



どういう風の吹き回し?

私は自然にじと目になった。

通りすぎる窓から,綺麗な夕日の光が漏れる。



「ったくガキのくせにかっこつけやがって」



待たせちゃ悪いと早足で向かうと,辰馬くんがそんなことを言う。

その目線の先には,壁にもたれてあくびをする山宮くん。



「あれは素で格好いいんだよ」



私が言うと,辰馬くんはますます不機嫌になった。

年下に何を対抗することがあるのかと,私は内心呆れる。

辰馬くんだって県内に2人いるかいないか位のイケメンなのに。

言ってあげるべきか悩んでいると,山宮くんが私達に気づく。

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