こんな溺愛,ありですか?
山宮くんはそれだけいうと,ゆっくりと目蓋をおろす。
まるで,報われない恋情でも秘めているような切なさを感じた。
ドラマのワンシーンみたいだ。
息も忘れて山宮くんを見つめる。
すると今度は,山宮くんが先程より長く手首に唇を押し当てた。
その箇所に何故か一瞬チクリとした痛みがはしる。
そして山宮くんは消ゴムを拾うと,何事もなかったかのように座った。
私もそろそろと手を引く。
そこまで,約15秒。
私には,5分以上あったかのように思えた。
手のひらのキスは,手首へのキスは……
頭がぐわんぐわんする。
……余計な知識は,余計なままでいい。
私は強制的に思考を止め,放心した。
誰か見ていないかとハッと後ろを向くと,後ろの2人は仲良く変な絵を書いては笑っていて,なにも気づいてなさそうだった。
その2人は近々付き合うんじゃないかと噂されている2人で,私は心底ほっとした。
まるで,報われない恋情でも秘めているような切なさを感じた。
ドラマのワンシーンみたいだ。
息も忘れて山宮くんを見つめる。
すると今度は,山宮くんが先程より長く手首に唇を押し当てた。
その箇所に何故か一瞬チクリとした痛みがはしる。
そして山宮くんは消ゴムを拾うと,何事もなかったかのように座った。
私もそろそろと手を引く。
そこまで,約15秒。
私には,5分以上あったかのように思えた。
手のひらのキスは,手首へのキスは……
頭がぐわんぐわんする。
……余計な知識は,余計なままでいい。
私は強制的に思考を止め,放心した。
誰か見ていないかとハッと後ろを向くと,後ろの2人は仲良く変な絵を書いては笑っていて,なにも気づいてなさそうだった。
その2人は近々付き合うんじゃないかと噂されている2人で,私は心底ほっとした。