こんな溺愛,ありですか?
「しーちゃん,大丈夫だよ。流石にこんな怖がられる状況で何かしようなんて思わないから」
「それは,そう,かもしれないけど」
もうそんな話じゃないの。
同じ家に,山宮くんがいる状況がもう,だめ。
すごく恥ずかしい。
耐えきれないと察した私は,早めの夕飯だと。
一緒に夜ご飯を食べた。
いつも座ってるはずのソファーに並んで,なんだかいつもと違う気がするニュースや番組を見る。
そして私ははっとした。
「あの,1つだけ……約束してほしい」
「? なに。しーちゃんが嫌がるようなことは」
「そっそれは信用してるし,相手が私なら分かってるよっ」
そう言うあり得ない話じゃなくて。
「1人でこの家を……出ないで欲しいの。どうしてもの時は私に言って欲しい」
怖いの。
2人で家に帰ってきたことを知っているストーカーが。
「しーちゃん。しーちゃんが何を隠して,怖がってるのか。教えて」
私はぶんぶんと首を横に振った。
カタカタと震える両手を,山宮くんが捕まえる。