こんな溺愛,ありですか?
「あっ明日……明日になったら,話すから」



私の周りは危ないんだって,ほんとはもっと早く話さなくちゃいけないのかもしれないけど。

心配を掛けたくなくて,怖くて,まだ話せない。

私が言うと,山宮くんは1つ頷いて,私を抱き締めた。



「うん,明日話してくれるなら,いいよ。何を話しても,俺がしーちゃんを守ってあげるから」



その温もりに,力強さと優しさに。

胸が大きく高鳴って,最後に小さくきゅんとした。

話そう,話そうって眠りに着いたのに。

事件は私が口にするよりも前の早朝に,起きた。
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