こんな溺愛,ありですか?




ーピンポーン

鳴り響いたのは,我が家のチャイム。

何時……

そう時計を見ると朝6時で,見間違いかと仰天する。

その驚きで目の覚めた私は,のっそりと起き上がった。

なんか分からないけど少しまってねと,時間的にも待ってくれるだろうと動き出すと。

またピンポーンと音が1つ。

それでも間に合わないと,今度は焦れたようにもう一個鳴った。

間に合うわけない,間に合うわけないのに。

何回押すの,宅急便? なわけないし。

あまりのうるささに山宮くんも起きてしまったみたいで,申し訳なくなる。



「おはよう,起きちゃたよね,ごめんね……」

「ううん,それより。しーちゃん心当たりある? 流石に」



しつこいしおかしいよね。

私が足音を立てないように玄関に近付くと,山宮くんも付いてきてくれた。

そしてようやく覚醒した私は思い出す。

その,心当たり,に。
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