こんな溺愛,ありですか?
「ていがく……」
「そう。しーちゃんにもう近づかないように,一応配慮もしてくれるはずだから」
「そっか……」
名前を聞いてもやはり知らなかったあのストーカーは,その悪質性から2ヶ月の停学になったらしい。
私の代わりに警察や学校へ話をしてくれた山宮くんがそう教えてくれた。
「しーちゃん。あの人,ストーカーだったんでしょ? ……いつから?」
多分もう全部分かっていて,山宮くんは私を問いただす。
その行為が私を責めるものじゃないと知っているから,私はゆっくりと打ち明けた。
「私と山宮くんの写真が,出回ってた日……視線を感じて,その後からずっと……」
1人で抱えていた事が,こんなことになって初めて,どれだけ危険な事だったかと気付く。
あの家は私だけの家じゃない。
もしお母さんに何かあったらと思うと,とても怖くなった。
「日も浅いのに,思い出させるようなこと言ってごめん。だけど,聞いて」
「うん……」
何度も私のために動いてくれた山宮くんの切実な響きに,私はこくんとうなずく。
「次なんてない方がいいけど,もしなにかあったら……その時はもう,隠さないで,俺を頼って欲しい」
どうして?
どうしてそこまで……