こんな溺愛,ありですか?


「ごめん。間違えた。順番が,逆……」

「山宮くん?」



逆って,何が……?



「俺ね,しーちゃんの事が好きなんだ。だから,どんなことからも守りたいって思う。一緒にいたいし,それをどこの誰にも邪魔されたくない」



それは,明らかな好意の表現だった。

信じられないなんて思えないほど,真っ直ぐで。

気付かなかったのが不思議なほどの,とろける視線。

そこから漏れる笑みが,私だけを映している。

息が,止まるかと思った。

このどきどきに,名前をつけてもいいんだと安心した。

この人が,好きだと,そう強く思った。



「好きだよ。……好きです,しーちゃん。んーん。静香さん,俺と,付き合ってください」



次の瞬間,私は引き寄せられるように1歩近づいて。

気付けば,1つ,こわごわとしながらも,確かに頷いていたーーーーー。
< 85 / 96 >

この作品をシェア

pagetop