こんな溺愛,ありですか?










山宮くんの告白に頷いて,晴れて付き合うことになった私達。

名前一つで,私達の関係は変わらないようで少しずつ変わっていた。

なっちゃんも応援してくれて,でもたまにからかわれたりするのが気恥ずかしい。



「山宮くん,おまたせ……!!!」



毎日,山宮くんと帰る日々。

辰馬くんに任命されるお手伝い係も,ぱったりと無くなっていた。

私に色々あったこと,多分気付いてる山宮くんとの関係。

そんなものに気を回してくれたのかもしれない。

それは少しだけ突然で,どこか寂しくて。

兄離れならぬ辰馬くん離れが進んでいた。

お互いに成長って,これがそういうことなのかな。

いいんだけどね,別に。

だからって私達の関係が変わるわけじゃない。

いつでも話せる距離にいる。



「そんなに待ってないよ。分かってるでしょ?」



しーちゃんって呼ぶその甘やかな声と笑顔。

それがあるだけで,私の頬もふにゃりと溶ける。
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