こんな溺愛,ありですか?
昔,俺が10歳の頃。
親戚とその近所の人間の集まりに,2人で預けられた時。
昼頃になって,プレゼントだと言って,その場にいた大人から何人かいた子供の前に水晶が並べられた。
形も大きさも透明感もそれぞれ違うそれらは,俺達子供にとって見慣れないものだった。
けれど,予定にない子供が何人かいたことで,2つ足りないことが分かると,その2つは水晶を持ってきた女性の子供の分と言うことになった。
すんと済ました顔をした男子や,きゃあきゃあ喜ぶ女子を横目にその兄弟を見ると,少し悲しげだった。
親の言葉だからこそ黙っているし,親の方も後であげると声かけはしたものの,やはり物欲しげに子供の輪を見ていた。
俺は水晶に興味がなくて,だけどそれだと1人分で喧嘩にならないかとませたことを考えていたけれど。
それより先に,自分より大きな子供に弾け出されていた静香が2人に近寄った。
『わたしね,いし,いらない。こうえんにもどってもいい?』
そういった5つの静香は本当に興味がないようで,そわそわと外を見て訴えていた。
兄弟はぱちくりとして,その母親は困ったように膝をおると。
『えぇっと……ひとりはちょっとね……お姉ちゃん達を待っててくれる? 私もついていくから』
そう静香の頭を撫でた。
『はーい』
静香は返事をして,俺がじっと見ていると。
数分後,ふらりと1人で外に向かった。
大人は気付いていなくて,俺も敢えていらないの一言だけを告げたあと,その後ろを追いかけた。
親戚とその近所の人間の集まりに,2人で預けられた時。
昼頃になって,プレゼントだと言って,その場にいた大人から何人かいた子供の前に水晶が並べられた。
形も大きさも透明感もそれぞれ違うそれらは,俺達子供にとって見慣れないものだった。
けれど,予定にない子供が何人かいたことで,2つ足りないことが分かると,その2つは水晶を持ってきた女性の子供の分と言うことになった。
すんと済ました顔をした男子や,きゃあきゃあ喜ぶ女子を横目にその兄弟を見ると,少し悲しげだった。
親の言葉だからこそ黙っているし,親の方も後であげると声かけはしたものの,やはり物欲しげに子供の輪を見ていた。
俺は水晶に興味がなくて,だけどそれだと1人分で喧嘩にならないかとませたことを考えていたけれど。
それより先に,自分より大きな子供に弾け出されていた静香が2人に近寄った。
『わたしね,いし,いらない。こうえんにもどってもいい?』
そういった5つの静香は本当に興味がないようで,そわそわと外を見て訴えていた。
兄弟はぱちくりとして,その母親は困ったように膝をおると。
『えぇっと……ひとりはちょっとね……お姉ちゃん達を待っててくれる? 私もついていくから』
そう静香の頭を撫でた。
『はーい』
静香は返事をして,俺がじっと見ていると。
数分後,ふらりと1人で外に向かった。
大人は気付いていなくて,俺も敢えていらないの一言だけを告げたあと,その後ろを追いかけた。